デコトラの購入を検討している方のなかには、エンジン音もカスタムしたいとお考えの方がいるのではないでしょうか。エンジンサウンドをカスタムしているデコトラは「マニ割り」をしているものが多いです。
そこで本記事では、デコトラのマニ割りが何なのか、マニ割りを行うメリットやデメリットをご紹介します。そのほか、トラックのマフラーの種類もお伝えするので、マニ割りを検討している方はぜひ参考にしてください。
マニ割りとは、エンジンの排気側にあるエキゾーストマニホールドを分割することです。通常のエキゾーストマニホールドは、1本にまとまっています。
そもそもエキゾーストマニホールドとは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンにおいて、排気ガスがシリンダーから排出される際に集められる部品です。複数のシリンダーの排気ガスをひとつにまとめ、排気系統に送る役割があります。
エキゾーストマニホールドを分割したあとは、その先に新しい排気管を通します。エンジンからマフラーまでの排気管を2本に分けることで、エンジンサウンドの変化が可能です。
デコトラのエンジンサウンドを変えるためのマニ割りを行う前に、トラックのマフラーの種類を把握しておきましょう。マフラーの種類によって、エンジンサウンドが異なります。ここでは、トラックのマフラーの種類を3つに分けてご紹介します。
ダブルマフラーとは、車両の後部に2つのマフラーを備えた仕組みです。エキゾーストマニホールドへの直接的な加工は行わず、マフラーとテールパイプを2本ずつ設置します。
通常のシングルマフラーが装備されている場合、エキゾーストマニホールドから排気ガスが集められ、1本のパイプを通ってひとつのマフラーに排出されます。ダブルマフラーの場合は、車両の両側から排気ガスが排出されるのが特徴です。
デコトラだけではなく、スポーツカーでも多く見られます。エンジンの出力や排気音の変更を目的に行うケースがほとんどで、デュアルエキゾーストとも呼ばれています。
マニ割りはダブルマフラーの種類のひとつであり、ともに排気改造が目的です。ダブルマフラーの装着と同時に、エンジンのパフォーマンス向上を目的にマニ割りを行うケースがあります。
マニ割りを行うことで、エキゾーストマニホールドの設計が最適化されます。そのため、エンジンの出力向上や特有の排気音をより効果的に引き出すことができるでしょう。
V8エンジンダブルマフラーとは、V8エンジンを搭載した車両において、ダブルマフラーを使用しているケースを指します。シリンダーがV字型に8つ配置されているエンジンタイプで、高出力とトルクが特徴です。
V8エンジンダブルマフラーでは、エキゾーストマニホールドから出る8本の排気管を2つのマフラーに分岐させます。ひとつ目のマフラーで4本の排気管をまとめ、もうひとつのマフラーで残りの4本の排気管をまとめます。
また、エンジンの高出力と特有の排気音を最大限に引き出せるため、スポーティな外観と迫力のある排気音を演出するのに効果的です。マニ割りを行うと、V8エンジンダブルマフラーと似たような迫力のあるエンジンサウンドを実現できます。
シングル2本出しマフラーは、シングルマフラーでありながら、車両の後部に2本の排気パイプを装備したものを指します。ひとつのマフラーで2本の排気パイプが分岐するように設計されており、通常のシングルマフラーよりも特有の響きを持ったエンジンサウンドが特徴です。
煙突マフラー(スタックマフラー)は、車両の排気系統に用いられる特殊なマフラーの1種で、特有のデザインと排気音を持っています。その名前のとおり煙突のような形状をしており、排気パイプが垂直に立ち上がったデザインが特徴です。
排気ガスの流れが垂直に向かうことで、独特な高音の排気音が生じます。パフォーマンス向上を追求するドライバーや、高音のエンジンサウンドを好む方におすすめです。
マニ割りで魅力的なエンジンサウンドを実現できますが、メリットだけではなくデメリットもいくつかあるので把握しておきましょう。ここでは、マニ割りのメリットやデメリットをご紹介します。
マニ割りを行うメリットについて、エンジンサウンドに関するメリットをお伝えします。
マニ割りによるエキゾーストマニホールドの改造は、V8エンジンに近い特有の排気音を引き出せる点がメリットです。マニ割りによって、同じ複数のシリンダーからの排気ガスが効果的に混ざり合うことで、V8エンジンサウンドに近い音を実現できます。
マニ割りのデメリットについて、3つの注意点をご紹介します。
マニ割りをすると、音の質だけではなく音の大きさも変わり、騒音規制に抵触するおそれがあるでしょう。騒音規制に引っかかってしまうと、違反となってしまうため注意が必要です。
国内の騒音規制では、大型車両の規制値が105db〜107dbとなっています。規制値を超えてしまうと、公道を走行することはできません。
マニ割りをすると触媒がなくなってしまい、排気ガスの浄化ができない状態になります。排気ガスが汚いまま排出されてしまうため、排気ガス規制への懸念があるといえます。
窒素酸化物や炭化水素など、有害物質を含んだ黒い排気ガスを排出するトラックは、基本的に走行が許されていません。もし公道を走行していると、警察に補導されるおそれがあります。
マニ割りをした車両は、車検に通らないおそれがあります。車検に通らない理由は、主に先ほど解説した騒音規制と排気ガス規制をクリアできないことです。
車検を通過できなかった場合は、該当する箇所を改善したうえで再度車検を受ける必要があります。ただし、排気管のテールパイプが2本に分かれているだけで落とされることはないので、規制を守りながらカスタムを楽しむとよいでしょう。
マニ割りを行いたい方のなかには、やり方がわからない方や、費用の目安を知りたい方がいるでしょう。ここでは、マニ割りのカスタム方法と費用について解説します。
マニ割りを行う場合は、トラックの整備工場やトラック販売店に依頼する必要があります。マニ割り自体難しい作業ではないため、トラックを扱う工場や販売店なら依頼を受けてくれるところが多いでしょう。
アートフレンドAUTOでは、デコトラを含むトラックのカスタムオーダーが可能です。マニ割りだけではなく、そのほかのデコトラのカスタムを依頼したい方は、ぜひお問い合わせください。
マニ割りの費用は、加工と排気管の設置などで200,000円〜400,000円ほどが目安です。触媒を設置したい場合は、さらに100,000円〜200,000円ほど追加されるケースがほとんどです。予算を決める際は、200,000円以上に設定するとよいでしょう。
こちらの記事では、デコトラの基本知識やイベント情報について紹介しています。あわせてご覧ください。
マニ割りはエンジンサウンドをカスタムでき、デコトラだけではなくスポーツカーなどにも適用されるケースがあります。エンジンの音質や音量を向上させたい場合におすすめで、V8エンジンダブルマフラーと同じようなエンジンサウンドの実現が可能です。
ただし、マニ割りを行うことで、騒音規制や排気ガス規制に引っかかるおそれがあります。マニ割りが原因で車検を通過できないケースもあるため、デジベル数の測定や触媒の設置を行って対処しましょう。
またアートフレンドAUTOでは、デコトラの取り扱いやマニ割りなどのカスタムにも対応しています。各種ローンも取り扱っているので、デコトラの購入から検討している方もぜひご相談ください。