トラックドライバーに向いている人は、運転が好きな方はもちろん、体力に自信があったりスケジュール管理ができたりする方などが当てはまります。一方で、運転手に向いていない人の特徴もあります。
そこで本記事では、トラックドライバーの仕事内容をはじめ、向いている人とどうでない人の特徴をそれぞれご紹介します。そのほか、運転手として働く魅力や注意点もお伝えします。
トラックドライバーになろうかと考えている方は、自分が運転手に向いているか確認するとよいでしょう。ここでは、トラックドライバーの仕事内容や、向いている人の特徴をご紹介します。
トラックドライバーの仕事内容は、トラックの大きさや運ぶものによって異なります。ここでは、トラックドライバーの仕事について5項目に分けて解説するので、運転手になろうと検討している方はぜひ参考にしてください。
小型トラックドライバーは、大型トラックや中型トラックで配送された荷物を、さらにさまざまなエリアの集配所へ配送するのが仕事です。ほとんどの大手運送会社が参入しているので、小型トラックドライバーを募集数も多いといえます。
また、大型トラックや中型トラックよりも、各配送先までの走行距離が短い傾向にあります。そのため、初めてトラックドライバーとして働く場合は、小型トラックの運転手からチャレンジして仕事内容に慣れていくとよいでしょう。
中型トラックドライバーは、主要都市の集配所や荷卸しする場所まで荷物を配送するのが仕事です。小型トラックよりもサイズが大きいので、小型トラックドライバーを経験してから中型トラックドライバーにシフトチェンジする場合があります。
大型トラックと比べると集配所や荷卸しする場所までの距離が短いので、日帰りで仕事が完結するケースが多いです。中型トラックドライバーのなかには、自分でトラックを所有して、派遣社員として働く方もいます。
また、荷卸しする場所まで荷物を配送する場合、フォークリフトの運転免許証を取得しておくと採用面接のときに優遇される可能性があります。
大型トラックドライバーは、指定の荷物を荷卸し場所まで配送するのが仕事です。中型トラックドライバーよりも走行距離が長くなる傾向にあるので、運転する途中で仮眠して休息を取りながら荷物を運ぶケースが多いでしょう。
長時間ひとりで運転をするケースがほとんどなので、運転経験はもちろん、体力に自信がある方に適しています。運転から荷卸しまでひとりで完結するため、人間関係を築くのが苦手な方にもおすすめです。
宅配ドライバーは、運送会社や集配所から会社・個人など特定の場所に荷物を配送するのが仕事です。中型・大型トラックドライバーと比べ、運ぶ荷物は軽く小さいものが多いので、重たいものを運ぶシーンが比較的少ないでしょう。
近年では、荷物の受け取り先をコンビニや駅などにある宅配ロッカーなどに指定するケースがあります。配属する運送会社によっては、ネットショップの需要に応じて、生鮮食品の配送サービスに対応しているケースもあります。
軽貨物配送ドライバーは、小包や封筒などの軽めの荷物を配送したり、依頼先に荷物を引き取りに行ったりするのが仕事です。ドライバーによって、配送エリアが決められているケースが多いので、初めてトラックドライバーにチャレンジする方におすすめです。
軽貨物配送ドライバーが扱う荷物は、荷物の幅・長さ・深さの合計が180cm以内、かつ重量が30kg以内のものと決まっています。ほかのトラックドライバーと比べると、扱う荷物の大きさが小さいので、女性ドライバーや高齢者ドライバーが多い傾向にあります。
また、勤務時間は9時〜18時ごろまでとある程度決められているので、トラックドライバーの負担が比較的少ないといえます。ただし、決められた荷物を配り切るのがノルマとなっているケースがあるので、場合によっては残業をしなければいけないこともあります。
トラックドライバーになる前に、自分が向いているか確認しておくとよいでしょう。ここでは、トラックドライバーに向いている人の特徴を6つご紹介します。
トラックドライバーは運転することがメインとなるので、運転が好きな方に向いています。とくに大型トラックドライバーは、都道府県を超えて荷物を配送するケースが多いので、長期間の運転が苦にならない方におすすめです。
トラックドライバーの運転時間は、休息時間を含めずに6時間を超えるケースがあります。労働時間は基本的に13時間程度が多いですが、最大16時間まで延長できるので、道路の混み具合などによっては残業も生じます。
また、荷物を指定の時間帯に届けなくてはいけないので、間に合わせるために昼夜関係なく運転する場合もあるでしょう。長距離ドライバーは片道300kmも走行する場合があります。
トラックドライバーの仕事内容は、毎日同じ道を通って荷物を運ぶことが多いです。シンプルで簡単な作業に見えますが、飽きが来る可能性があるので、単純作業が得意な方に向いています。
同じ道を走るだけではなく、一定の速度で走ることに対しても飽きが来やすいです。仕事環境が単調になりやすいので、毎日同じ作業をすることに対して苦を感じない方にもおすすめです。
また、運転中に集中力が途切れると事故の原因となります。なかには、単純作業をしていると集中力が切れたり眠たくなったりする方もいるでしょう。こうした事故を防ぐためにも、単純作業を好んで取り組めるかが重要です。
トラックドライバーは基本的にひとりで作業するので、ひとりで仕事をするのが好きな方におすすめです。とくに人とコミュニケーションを取るのが苦手な方や、ひとりの時間が苦にならない方に向いています。
また荷物の配送中は、トラックの不具合や渋滞など、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。そのため、ひとりでも冷静に対応できる方がトラックドライバーに向いているといえます。
ただし、新人ドライバーは、入社したばかりの時期は先輩ドライバーと2人体制で仕事する場合があります。ひとりで仕事ができるようになるまで、配送ルートを覚えたり、配送先の担当者に挨拶したりする必要があります。
トラックドライバーは1日に数時間続けて運転しなければいけないので、体力に自信がある方に向いています。とくに、長距離ドライバーは、都道府県をまたいだり昼夜関係なく運転したりするので、普段から体力を維持することが大切です。
体力を維持するには、食事や睡眠など、普段から健康に気を遣わなければいけません。運転席に長時間座りっぱなしの状態は、腰痛や肩こり、ヘルニアなどの症状が出やすいので、労働後のケアも大切です。
また、運転だけではなく重たい荷物を運ぶ場面もあるので、腕力に自信がある方も向いているでしょう。ただし、フォークリフトなどの機械を使って荷卸しをする場合は、腕力に自信がない方でも難なく仕事行せるケースがあります。
トラックドライバーは、荷物を指定の時間までに配送しなければいけないので、スケジュール管理ができる方が優遇される傾向にあります。具体的には、荷物をただ届けるだけではなく、休息のタイミング、走行速度、ルートの渋滞情報などを考慮しなければいけません。
勤務時間以内に決められた荷物を運ばなければいけないので、1日の勤務時間内でノルマをこなす必要があります。プライベートの時間を確保するためにも、時間内にこなせるようにスケジュール管理を徹底することがポイントです。
トラックドライバーは、荷物を安全かつ確実に目的地まで運ぶなかで交通ルールを守る必要があります。ただ走行速度や信号を守るだけではなく、ほかの運転手への気配りや譲り合いをすることも大切です。
また、指定の時間に荷物を届けるほか、配送先の担当者や住人とのコミュニケーションの取り方も注目されます。挨拶をする、笑顔で対応する、荷物を丁寧に扱うなどのポイントを意識するとよいでしょう。
トラックドライバーに向いているか確認するだけではなく、向いていない人の特徴に当てはまっていないかもチェックしておきましょう。ここでは、トラックドライバーに向いていない人の特徴を3つご紹介します。
トラックドライバーの仕事は、荷物を運ぶまでさまざまなトラブルが起こる可能性があります。トラブルが起こったときにイライラしてしまうと、冷静になって正しい判断ができなくなるおそれがあるため、短気な方には向いていません。
トラックドライバーがイライラしやすい場面は、渋滞が生じたときです。アプリやラジオ、ナビなどで渋滞情報を確認できるものの、事故の発生直後はアプリやラジオなどに反映されないケースがあります。
また、荷卸し先は駐車スペースが限られているので、先にほかのトラックが到着していて、荷卸しできるまで時間がかかる場合があります。このときにイライラすると、荷卸しのときに荷物を雑に扱ってしまい、損傷を与えるおそれがあるでしょう。
トラックドライバーは基本的にひとりで仕事が完結するので、仲間と協力して仕事したい方にとっては苦になってしまう可能性があります。コミュニケーションを取るとしても、配送先の担当者や住人との挨拶くらいです。
また、チームプレーでの仕事を好む方は、ひとりで作業することがストレスに感じてしまうおそれがあります。頼れる人がいないことから孤独に感じやすいので、仲間と協力して仕事がしたい方は、2人体制で仕事ができる運送会社がおすすめです。
トラックドライバーは、長時間の運転に備えて、体力や健康を維持することが大切です。日頃から体調を崩しやすい方がトラックドライバーの仕事をすると、出勤できる日が限られたり、体調不良で集中力が低下したりするおそれがあります。
荷物を下ろすときは、雨や雪が降っていても傘をささずに作業することが多いです。雨や雪に濡れると風邪をひきやすい方や体調を崩しやすい方は、トラックドライバーに向いていないでしょう。
また、長距離ドライバーは、昼夜問わず運転しなければいけないケースがあります。仮眠する時間帯もバラバラになる傾向にあるため、生活リズムが不規則になると体調に影響が出やすい方も向いていないでしょう。
トラックドライバーとして働こうか迷っている方は、働くことの魅力を確認しておくとよいでしょう。ここでは、トラックドライバーとして働くことの魅力を3つご紹介します。
トラックドライバーは、基本的に学歴不問で求人を出しているところが多いです。運転免許証の取得は必要ですが、学歴に関係なく働けるので、未経験でも働けるケースがほとんどです。
初めてトラックドライバーの仕事をする方は、配送ルートが固定されている仕事が適しています。道を覚えなくてはいけませんが、初めは先輩ドライバーと一緒に配送するので、未経験者でも安心です。
トラックドライバーは、固定給に加えて歩合制や残業代が発生するので、働いた分だけ給料が上がります。頑張った分だけ給料アップにつながるので、モチベーションの維持や向上にもつながります。
昼夜問わず走行する長距離ドライバーは、深夜に走行することもあります。その場合、深夜手当が発生するので日勤よりも給料が高い傾向にあります。
走行距離が長ければ長いほど、また乗るトラックのサイズが大きければ大きいほど、給料が上がりやすいです。給料の高さを重視している方は、長距離トラックドライバーとして働いたり、完全歩合制の仕事の量を増やしたりするとよいでしょう。
近年、トラックドライバー不足が課題となっており、求人数が多い傾向にあります。トラックドライバーとして働きたい方にとって、就職先が見つかりやすいメリットがあります。
さまざまな条件を提示している求人がたくさんあるので、自分の希望に合ったところが見つかりやすいでしょう。具体的には、休日の頻度や優遇内容などを確認し、継続して働きやすいところを探すことがポイントです。
また、求人を探す際はハローワークや求人誌、求人アプリなどで探すとよいでしょう。求人アプリの場合、履歴書をデジタル化できるケースがあるので、紙の履歴書を用意する手間が省け、すぐに就労できる可能性があります。
トラックドライバーとして働こうか迷っている方は、魅力だけではなく、注意点も把握してから判断するとよいでしょう。ここでは、トラックドライバーとして働くときの注意点を3つご紹介します。
トラックドライバーの仕事は、時間内に荷物を安全かつ確実に届けることです。輸送時間が制限されているので、現在の配送ルートや渋滞情報、その後の配送ルートなども確認する必要があります。
やむを得ない事情で荷物の到着が遅れることを省き、スケジュールの管理不足により遅れた場合は責任を問われてしまいます。配送する荷物の数が複数あるときは、前日からスケジュール管理を行うことが大切です。
トラックドライバーは渋滞や天候などに影響されやすいので、労働時間が不規則になる可能性があります。荷物をすべて早めに届けられれば問題ありませんが、ひとつでも荷物の配送時間がずれれば、自然と労働時間が伸びてしまいます。
労働時間が不規則になると生活リズムもずれて、体調を崩しやすくなる方もいます。そのため、労働時間がバラバラになっても仕事に支障が出ないように、あわせて体調管理を行うことも大切です。
また、トラックドライバーの求人を探す際、自分に合った働き方ができるところを選びましょう。たとえば、夜起きておくのが苦痛ではない方は夜勤、一定の生活リズムを送りたい方は日勤がおすすめです。
トラックドライバーは、長時間運転席に座っていたり、重たい荷物を運んだりするので、肉体的にストレスが溜まりやすいです。腰痛や肩こりなどの症状が現れる可能性が高まるので、しっかりケアしましょう。
体力に自信がない女性や高齢の方は、荷物の積み下ろし作業を別のスタッフが担当してくれる運送会社がおすすめです。体力に自信がなくても、自分に合った働き方ができるところを選ぶことで、肉体的なストレスを抑えながら働けます。
こちらの記事では、トラック運転手の年収について紹介しています。業務内容や開業に必要なものなども詳しく解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
トラックドライバーは、運転が好きな方や体力に自信がある方、スケジュール管理ができる方などに向いている職業です。小型トラックや大型トラック、軽貨物配送など、同じドライバーでも仕事内容が異なります。
基本的には、学歴不問の求人数が多い傾向にありますが、不規則な労働時間や肉体的なストレスなどの注意点があります。トラックドライバーとして働く魅力だけではなく、注意点も把握したうえで働くか検討するとよいでしょう。
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